旬の味を求めて昭徳丸
自社船・昭徳丸 浜串港にて
目指すは、長崎県五島・対馬沖。
沖の漁師たちの挑戦。
波しぶきを上げながら魚群を追う「昭徳丸」。網船、灯船、運搬船など5隻で船団を組み、約3週間をかけて漁を行います。現在「昭徳グループ」が所有するのは4船団(20隻)。約400年前、この海域で驚異的な水揚げを誇った伝説の「十字船団」を原点とし、技術とノウハウは今に生かされています。
長崎県五島・対馬沖の海域は、黒潮から分岐した対馬海流が流れ込む世界屈指の好漁場。とはいえ、洋上に印があるわけでもなく、いかに早くポイントを見つけられるか……毎日が闘いです。最新鋭の魚群探知ソナーなども搭載していますが、歴代の漁師が残した厚さ数十センチにわたる記録ノートと、海を知り尽くした漁師のカンに勝るものはありません。もう一つ大切なことは「鮮度の管理」です。瞬時かつ均一に冷やすために、独自の氷砕設備を完備しています。
漁師たちが命と情熱をささげる目的はただひとつ最高の旬魚をみなさまにお届けするため。その使命を果たすべく、今日も「昭徳丸」は大海原を目指すのです。


沖の漁師たちが陸に上がるのは、1ヶ月のうち6〜7日。長崎県五島・対馬沖〜東シナ海を中心に、連日漁が続きます。まさに命をかけて「うまい魚」を追い求めます。
こだわりの素材
「海・船・漁師・魚が大好きです。」玄人・塚原 浩
〝旬の中の旬〟に徹底的に
こだわる「素材」への情熱。
夜も明けきらぬ午前4時。唐津魚市場が最も活気づく頃、買付人たちの真剣勝負が始まります。水揚げされたばかりの魚に包丁を入れ、脂ののりや身質をチェックするのは[シーボーン昭徳]で「玄人」と呼ばれる専任スタッフたち。1年のうちわずか2週間あるかないかの味の頂点、まさに"旬の中の旬"を見極める目利きのプロです。
水揚げの度に市場へと駆けつけ、実際の味を確かめるために毎日試食会が行われます。そして「来た」と判断するやいなや、1年分の魚を確保するべく買い付けに奔走します。自社船であっても、その目にかなわなければ買い取らないという徹底ぶりです。一握りの魚のみが、「玄あじ」「玄さば」といった「玄ブランド」の称号を得ることができるのです。
苦労の末に勝ち取った魚は、即座に急速凍結され、マイナス60℃の超低温冷蔵庫で保管し、鮮度と旨味を閉じ込めます。その後、ひとつひとつ丁寧に加工され、みなさまの食卓へ。「玄人」としての確かな仕事とプライドが、「旨さ」を根底で支えています。


水揚げ後、即座に魚をさばいて肉質、脂ののりなどをチェックします。長年の経験により、刃先の感覚だけで魚の良し悪しが判断できる——目利きのプロ「玄人」ならではです。